スタッフブログ
歯周ポケットが出来る過程は前回ご説明しました。
そのままその歯周ポケットを放置していたらどうなるのか?
歯周ポケット内の細菌が繁殖し、歯周組織の中の一つ、歯を支えている歯槽骨が溶かされて、ついには歯が抜けてしまうことになります。
さらに歯周病は中年以降 『喫煙』 『肥満などの生活習慣病(メタボ)』 『糖尿病など免疫力低下』 などでも悪化する可能性があります。

なかでも 喫煙は、有害物質(ニコチン)が末梢血管の循環を阻害し、(歯肉の端までの血流を妨害してします)
それにより局所的な免疫機能は低下、組織修復機能の低下を起こし、さらなる歯周病の悪化へとつながります。
無症状で進行するため、歯肉からの出血に気が付いても 『仕事忙しいし、いいや、、、。』 と言って、見過ごしてしまう方も多いと思います。
そのまま初期段階を過ぎ、歯周病中期になると唾液はネバネバして、口臭が強く、歯が少しぐらつき始めます。
重症化すると、上記に示した唾液・口臭はもちろんの事、歯が痛くて物も噛めなくなります。
見た目や症状では気が付かない『歯周病』
年齢とともに全身に関わってきますので、今のうちからきちんとした口腔ケアの仕方を覚えておきましょう。
歯は 歯肉、 セメント質、 歯根膜 、歯槽骨から構成される 『歯周組織』 によって支えられており、容易には抜けないようなっています。
歯周病は、その歯周組織は侵される感染症です。

健康な状態でも、歯と歯肉の境目には、小さな溝(歯肉溝)があり、汚れがたまりやすくなっている。
キチンとした歯みがきで汚れを取り除いていれば問題ないのですが、口腔ケアを怠ると、この溝にネバネバした物質がたまってきます。これが 細菌の塊、 プラークです。
プラーク を放置しておくと、プラーク内の細菌 によって歯肉に炎症が起こり腫れてきます。
その腫れによって、歯と歯肉の溝が広がって 『歯周ポケット』 が形成されてきます。
プラーク は、当初は柔らかいので、歯みがきや歯間ブラシ、フロスといったもので取り除くことは出来ますが、時間が経つと硬くなり除去しにくい 歯石 となります。
歯石 は専門的な器具を用いないと、取り除くことは難しくなります。
『歯周ポケット』 の中に、プラーク や 歯石 が付着してくると、ますます 歯周ポケット が深くなっていきますが、この段階で歯科医院を受診し、プラークや歯石を取り除く治療を受け、
さらに歯ブラシが適切に出来ているか指導を受けてそのように歯ブラシの仕方を改善していけば歯周ポケットは減少してきます。(プラークが減り、歯肉の腫れが引いてくれば歯周ポケットは減少する)
歯周ポケットが形成されている場合、歯石は1~2回スケーリング〈歯石除去)では取り除く事が出来ない場合があります。
たまに患者さんの中には『1回で全部やって欲しい』とおっしゃる方もおられますが、歯石除去を行って、歯肉の腫れが改善出来たところまで確認して、初めて歯周病の治療が終わる、という過程を理解して頂きたいと思います。
歯周病は重度にならないと症状がほとんどないため、きちんとした口腔ケアが必要と当医院では考えております。
近年、歯周病と全身疾患とのさまざまな関係があることの発表・報告がされています。

全身の血液中に歯周病の原因となる歯周病原性細菌がいると、上記のような全身疾患を起こす可能性が高くなることが分かってきました。
ではその歯周病原性細菌はどこにいるのか?
それはお口のなかにある歯垢(プラーク)中にあります。

歯周病原性細菌から出される毒素によって歯周ポケットが作られます。ここは細菌にとって住みやすい環境です。
歯周ポケットの中では歯周病原性細菌がどんどん毒素を作りだし、歯周病を悪化させていきます。
歯周病が進行していくと、歯茎から血が出たりして歯ブラシを当てるだけでも痛くなり、さらに歯周病が悪化するという悪循環になっていきます。
悪化してしまうと全身にも関わるおおきなお口の中の病気『歯周病』
日ごろからのケアが大切です。
『毎日歯ブラシしてるから大丈夫』という方も、一度歯医者さんでキチンと歯垢が取り切れているか?確認してみてください。


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